★特別企画★(あの幻がもう一度見たい・・・自転車に乗っていこう!・・・時には引き返すのもダ・イ・ジ)

国道121号線 大峠凾嶺越
《大峠隧道》

大峠略図5

大峠隧道略図




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(72)もうヘアピンで高度を上げることはない


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稜線が穏やかだ。そして青いものが見える

行く前に大峠の手前には距離標識が立っていると聞いていた。だからそれが見えれば隧道まですぐということだ。もうだいぶ標高も上がっている。山の頂上までもほど近い。もうトンネルも近いはずである。期待に胸躍る。ここまで来たらもうトンネルまでいけるのはほぼ確実である。にわかに道路が広くなった。直線の先には尾根が延びている。もうこれ以上高度を上げることはないだろう。そう思いながら最後のラストスパートを行く。すると道路には「シートベルト」とペイントされたあとが残り青い標識が目に飛び込んできた。


幻とまで思っていた大峠隧道に到着

やっと念願が叶った。思えば峠と旅というホームページやそのほかの道路系のホームページをネットサーフィンをしていた毎日で車でどこかに行きたいと常々考えるようになった日のこと。地図を見てあるいはホームページなどを見ていて一番行きたいとまず考えたのがこの大峠旧道である。しかし先に書いたとおりこのトンネルへの道は険しくいとも簡単には僕をこの地へと導くことはなかった。僕にとってはある意味、『幻』なのである。

明日は休み。そう思い急遽決定した今回の大峠探訪。帰宅後すぐに車を出し不安と期待に胸を弾ませながらアクセルをふかす。そして今、僕はこの地へ立つことが出来た。不思議と必ず今日は立てるという確信感を伴っていた。

「幻」ではなかった。長年の風雪に耐えたそのトンネルは新しい時代を切り開くような輝かしい光が漏れ、僕を山形側へと導いてくれた。もう何も考えることは出来ない。いや考えていても体中をみなぎるアドレナリンにかき消されてしまう。

険しい山岳道路から、樹林帯の中をくぐるヘアピンを繰り返し登ってきた。そしてここでは葉を落としたはずなのにきらめき輝くこの大峠の木々。大峠はその険しい道中に比べるとあまりに穏やかであった。
暖かい太陽の光が僕を包みこむ。肌寒かった峠への上りに比べると、峠は風もなく雲一つない真っ青な空が暖かい空間を作ってくれた。


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隧道の手前には少し広い空き地がある


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シートベルトとペインとされていた


大峠隧道遠望


峠より今来た道を振り返る


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確かに隧道の手前には距離標識があった


そのそばには一等水準点がある。


ここにも通行止めという標識が立っている
これには平成2年〜となっている


大峠隧道福島側坑口
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大峠隧道扁額

ポータルは今では修繕工事の影響でかつての美しさは失ってしまっているようである。といってもかつてがどのくらい美しかったか知る術もないが、ピラスター、要石、迫石等を配したデザインであったようだ。一応その面影を見ることが出来る。





大峠隧道は福島側坑口のすぐ近くの所で内部にクラックが発生していた。修繕工事した吹きつけと鉄筋が見えてしまっている。常に水が垂れていて、またここから土砂が我出ようとばかりにたまっていた。




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大峠隧道山形側坑口

威厳あるポータルの福島側と比べると山形側はぽっかりと口を開けているという感じである。


山形側坑口そばにはくしゃくしゃになった
高さ制限3.4mの標識が立っていた。


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山形側坑口から山形方面を見る

山形側はトンネルを出るとすぐに左の直角カーブになっていたようだ。真っ正面は崖である。現道時代を知らないが、ここから未舗装路になっていた。トンネル手前はT字路と言うこともできる。左方面は山形方面であるが右には林道が分岐して上っている。写真に写っているのは県境標識である。


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山形側より福島側を見る


トンネル内に保管されていた
全面通行止めの看板



大峠隧道略図
大峠隧道付近略図


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隧道先から山形方面の様子

未舗装路がしばらく続いている。しかしガードレールも何もない。現道時代からそうであったのであろうか。右下方向に下る鉱山用道路が見えている。この写真で中央付近で分岐がある。


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傾いた県境標識「福島県」

山形県の県境標識は見ることは出来なかった。


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大峠隧道山形側坑口を遠望する


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隧道手前より分岐する林道。
ただし車止めがされている。


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山形側の眼下に広がるパノラマ


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山形側の眼下に広がるパノラマ


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鉱山用道路

山を下る鉱山用道路。この道はまだ生きている。おそらく隧道を越えることが出来るのも、この道路への通行を確保するためと考えることもできると思う。


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国道121号線福島側バリケード

この先は放棄され荒れるに任せる状況が約5kmほど続く。写真で見ると右上方向に上がる道があるがそれは鉱山用道路(廃道)であり、国道121号線自体は同じレベルで右の方に続く。一見道が右上に見えているように感じてしまうが...
この手前の所は多少道が広くなっていて転回やあるいは駐車が可能である。



おまけ



山形側を楽しみにしている方も多いことだと思います。でも僕のペースでは何時見れるやら(笑)。

雰囲気だけでも味わって下さい。これが山形側放棄された区間の実状です。

r121ohs515.jpg
未舗装の路面に落ち葉が溜まり、そして落石防護ネットは大きくよろめく。


r121ohs542.jpg
ここは舗装路であると訴えている白線がまぶしい。一体本来の道幅はどのくらいなのだろうか。

崖側は草木に浸食され無惨な姿である。しかし実際の幅員というのも1車線幅で福島側よりは狭い。



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2001/01/04 作成