2010年9月 北海道 ローカルグルメツアー
この記事は地域SNS ひょこむのブログに掲載したものを再構成したものです。
早朝のリムジンバスで奈良を出発。こんな時間、観光客はいません。歩いて行けるリムジンバス乗り場はここ(どこ?)しかないのだ。朝日がまぶしい。渋滞もなく無事に大阪(伊丹)空港に到着。
なんか人多くない?完全に満席らしく「神戸空港発の便に変わって頂ける方を募集します」とのアナウンスが。海外旅行とかでこういうのを聞いたことはありましたが、国内線では初めてです。
それでも定刻に出発し、到着予定時刻の5分前にベルトのサインが消えました。寝てようと思ったのに案外眠くならないもんですね。あ、ちなみに機内では無料サービスのお茶だけです。
これが今回お世話になったANAの機材。B777-200だったかな。3x4x3列シートです。後ろにポケモンが見えてますね。この時点でまだ荷物の取り下ろしをしてなかったようで、しかも羽田便も到着直後だったらしく荷物を預けていた人は出て来るまでかなり待たされたんではなかろうかと。こっちは浮いた時間を利用して先に土産物を職場へ直送。
みんなリムジンバス利用で電車はがら空きだろうと思いきや、721系6両編成の快速は大混雑で結局札幌まで座れませんでした。快速が少し遅れていたのか、721系3連の普通江別行はすぐに発車。苗穂工場にシートを被せられた特急車両が何台かいるが、製造中なのだろうか。
江別で下車。4番線(切り欠き)到着かと思ったら先客721系3連手稲行がいたのでこちらは2番線に到着。
江別市はレンガの町。実際にレンガ工場がたくさんあったのはもうちょっと手前の野幌のあたりなんですが、レンガを使ったモニュメントがありました。内陸なのにえらく風が強くて噴水が横に流れてました。周りの木には赤い実がついてますが、何の実なのかは分かりません。
さて、お目当ては千歳川堤防近くまで歩いたところにある old-e#(オールド・イー)さん。元銀行の建物を改装し、地元食材を活かしたレストランカフェです。
中もレトロ調。一部吹き抜けで2階もキャビンになっています。2階席からは女性グループの談笑の声が。確かに女性受けしそうですね。1階カウンターには地元の常連さんがコーヒーを飲んでいらっしゃいました。私はえべつバーガーのドリンクセットを注文。夏は限りなくall江別産の食材で作られたハンバーガー。北海道らしくボリューム感満点ですが、決してくどい味付けではなくあっさり完食できてしまいます。ちなみにポタージュも濃厚でおいしかったです。単に札幌のベッドタウンというだけでなく、自分たちの町を知って自分たちの手で地元を盛り上げたいという気持ちが伝わってきたひとときでした。
小さな男の子2人の親子ずれになごまされながら岩見沢行731系に乗車します。岩見沢駅はえらく立派になってびっくり。公共施設などとくっついてバリアフリー化さられました。が、一部に昔ながらの居酒屋さんがあったりで、炭坑町の雰囲気も残っていました。
中央バスのバスターミナルは昔からの場所にありますが、これから乗る新篠津交通の乗り場は?と思ったら、その一画に間借りしているようです。
旧炭坑町へのバスが続々と出ていったあと、明らかに元JRバスのいすゞLTがやってきました。広大な河川敷の石狩川を渡ったところが新篠津村。北海道といえば人口希薄地が多いので村だらけのようなイメージがありましたが、平成の大合併前でも212市町村中20もなく隣の北村のように平成の大合併で消えた村もあるので今はさらに減っていることでしょう。
ここ新篠津村は米どころです。空知地方は例年でも夏の気温が高いのです。米も実は生産量は北海道が日本一。新潟や山形ではありません。
作付け面積の違いでしょうね。昔は北海道の米といえば品質が悪いというイメージがありましたが最近よく見るきらら397や、さらに最新の世代のおぼろづきやななつぼしなど品種改良が進んでうま味成分ではコシヒカリ以上なんだとか。ななつぼしはこの後実際に出会うことになります。
で、バスは温泉まで行くのですが、時間が微妙なのと、タオルを持ってないのと、この後のバスが温泉を経由しないのもあって、役場近くで下車。ちょいと近くをお散歩。スーパーの裏手へ出ると空き地が。ん?先にベンチがある。ひょっとしてここ、実は公園で、入っていいの?
北海道は学校の敷地ですらフェンスなんてものがないことが多く面食らうことがままあります。日ざしは強いのですが、木陰に入ってベンチに腰掛けるとからっとした涼しい風がふいていて、たくさんのトンボが寄ってきます。
公園からバス停に出る途中、消防署の裏手を通りました。たまたま岩見沢でも、レスキュー車やはしご車など珍しい車をみかけましたが、今日は消防車に縁のある日です。消防車両に挟まって、モーターボートを積みこんだ車も。石狩川で事故があった場合や氾濫に備えてなのでしょう。
石狩川は蛇行で川の形が幾度となく変わり、三日月湖(河跡湖)が散在することで教科書にも登場する場所。さっき話題に出て来た温泉のすぐ横にあるしのつ湖もその1つで冬場はわかさぎ釣りのスポット。「水曜どうでしょう」にも登場した場所です。
1日2本、平日のみ運転の新篠津村営「ニューしのつバス」当別高校行はマイクロバスですらなく、なんとワンボックスカーでした。直前に出た月形行はマイクロだったのにちょっとびっくり。タクシー会社委託ではなく本当に村直営のようでこれまたびっくり。
広大な田圃の中をひたすら進んで行きます。が、泥炭地なのか舗装はぼこぼこでかなり揺れます。JR札沼線当別駅前で下車。終始他に乗客はなく、こんな閑人を運搬してもらって申し訳ない気分になってきました。
駅前には当別町のコミュニティバスもいましたが、さきほど立ち寄った江別からも直接ここにくるバスがわずかにあります。当別駅は大きな駅なのに、この地域にしては珍しく中央バスが入らないのですが江別へはもともと中央バスが出ていたそうで、さらに昔は国鉄バスもあったそうです。
さて、すぐに列車がくるはずなのであわてて駅へ。周遊きっぷの札幌近郊ゾーンはここから札幌寄りがフリー区間なのでさくっとそのまま乗車…はいいけどホームが下校の高校生で溢れ帰ってます。さっきのバスもこの高校生を迎えに行く便なんでしょうね。で、列車は北海道医療大学始発なので車内は大学生でやっぱり大混雑。このままじゃ辛いので、あいの里公園で後続列車が見えたので下車。跨線橋から慌てて撮った写真がこれ。
今や電化されたので、キハ141系の活躍も昔話になってしまいました。
札幌に到着。ホテルに荷物を置いて地下鉄ですすきのへ向かいます。ホテルが南北線沿線なので電車1本で行けるのは便利。が、最初の目的地はすすきのの繁華街の南端近くでけっこう歩きます。呑み屋さんが入った雑居ビルの1階にあるのが「まむろ」さん。
昔は天麩羅のお店だったそうですが今や豚丼の専門店と化してます。メニューは上から紙を貼ってあって妙な場末感がありますな。が、ご安心を。味は本物です。何がすごいって、このタレの甘辛さ具合が最高です。
この後が控えているので普通盛りにしましたが、余裕があれば上豚丼でもアリでしょう。真似てみたいけど、ムリだろうなぁ。お店の味です。写真にはありませんが、お味噌汁もついてます。
もう1軒、今度は大通方向に戻る方向に「SAKU」さんがあります。
テレビに出てた時はザンギの専門店ということで、カラアゲ大好きな私としては外せないお店です。テレビ放映後にメニュー構成が変わったようですが、ザンギを使ったメニューも健在で、イートインスペースでザンギカレーをいただきました。札幌といえばスープカレーなのですが、ここはスタンダードなルーカレー。そんなに辛くないような印象ですが、店を出る時にはしっかり汗が。ザンギも揚げたてなので、これからの秋冬はオススメです。テイクアウトのお弁当の注文が次々入っていましたので、今はお弁当がメインのようでした。すすきので働いている人も多いので、深夜まで食事のできる店は重宝することでしょう。
ホテルに戻ってさっさと寝ればいいのに、どうでしょうclassicをやっていたのでリアルタイムで視聴。テレビ局の駐車場でワゴン車を2台お尻を向けて止めて養生シートで無理やり屋根を作ってクリスマスパーティという会でした。
さて、翌朝。札幌駅のホームに上がって、普通電車千歳行に乗ろうと思ったら轟音とともに列車がやってきたのですが…。
なんとキハ201系+731系の6両で到着。あれ江別発?ここで分割して731系が千歳行になるんだそうで。北広島駅で下車。ここでバスに乗り換えて長沼町を目指します。役場前で下車。もっと離れた場所にあると思っていた長沼ふれあいターミナルはすぐに見つかりました。
のぞいてみると管理人のおばさまがいらっしゃったのですが、私が1区間だけ乗ってみようと思っていた路線はなんと9月からデマンド運行に変わったとかで、待つだけムダと判明。ちょっとがっかり。一方、定期運行の南長都行のバスが横をすりぬけていきました。どうやら旧国鉄バス路線の長沼町内だけを引き受けた路線のようで、かつては恵庭方面へ出れたようなのですが、いかんともしがたい状態です。
町役場から約3キロほど東へ。丘陵地にあるのがながぬま温泉。併設された物産館の2階がお目当ての場所です。このあたりは公園になっていて、2階からなので見晴らしもいいですね。この広い公園もかなりうらやましいです。
ここは通常の焼肉屋さんのようにお肉や野菜も頼めるのですが、定食メニューもあります。
それと、もう1つの特徴。
北海道で羊肉のジンギスカンといえば、タレで下味をつけたお肉を焼くのですが、そのタレが3種類楽しめます。
「かねひろ」…にんにく風味
「長沼」…しょうが風味
「さとう」…フルーツ風味
それぞれ少量でも頼めるので、1人でも3種類楽しめます。ということで、こんな具合。
ここのジンギスカンは鍋ではなく鉄板で焼くので、野菜が落ちないように肉で囲って焼きました。私は羊肉は初めてだったんですが、ラムは本当にくせがなく、繊維質を感じる歯触りでした。脂肪分が少ないこともあり女性に人気なんだそうです。
3種類のタレ、どれもおいしいですが、主に、がっつり肉を食べたい男性向けは「かねひろ」、あっさり食べたい女性向けには「さとう」、羊は初心者なのでクセが怖いっていう人には「長沼」かな。いやでも。3種類どれもいわゆる「臭み」は全くありませんでした。
写真のロースはラム肉ですが、玄人志向のマトンもありますので、羊肉に慣れていてクセがないと食べた気がしない人も安心です(笑)
お会計をしていると厨房には「ななつぼし」のお米の袋を発見。今話題の道産米でした。平日なので空いていましたが、こりゃ土日は人気でしょうなぁ。
物産館を見てみると、「業務用っすか?」というくらいのタマネギの山を見たり、1玉600円のメロンがあったり。買って帰れたらいいけど確実に送料の方が高いな。すぐそばに温泉があり、その目の前からバスが出ているという便利な場所にあります。
さて、札幌最後の夜は回転寿司。
某ライダー御用達のガイドブック(私も車で北海道に行った時は4輪だけど買った)でも北海道の回転寿司のレベルが高いことは特筆されてます。今回行ったのは、市内なんだけどちょっとアクセスが大変な場所にある「根室花まる」さん。札幌の駅ビルにも出店しているそうだけど、ヨソ行きな店よりも地元密着のお店の方を選びました。
写真の通り駐車場がいっぱい。店内も待ち客がかなり。こういう時1人客はカウンターの空きにさっと入れるので助かります。大混雑しているので写真はありませんが、新物のさんま、ほっき貝、鮭の親子など北海道らしいネタが多数で文句なくおいしいです。
それとこのお店、客からのオーダー処理にいろいろ工夫して、オーダーの通し忘れがないようにしています。しかもこれだけ混んでいるのに、一度にオーダーしたお寿司を一気に出さずに、こちらの食事の進み具合をみながら握って出してくるのに感心しました。こりゃ流行るはずだわ。
大満足して、ちょっと北にある電車事業所電停を目指します。「福住桑園通」通称「山麓線」という名前のついた立派な道路なのにこの区間のバスは異様に少ない上に電車の接続点へ出てくれないのでちょっと不便ですが、腹ごなしに500mほど歩きます。が、市電が見えたとたんに1本出て行ってしまいました。左手には市電の車庫があるのですが、ほぼ街灯だけでまっくら。
目の前の山、たぶん藻岩山の山頂かロープウェイの駅の光がちらと見えます。教会の前を通ってやっと次の電車がやってきました。レトロなタイプの電車ですが走行音は小さく、よく整備されています。終点は西4丁目。省略系でかけばs1w4(南1条西4丁目)ってことかな。
折り返しは中央図書館前行になってさっきの車庫に入庫するようです。大通駅から地下鉄に乗ってホテルに戻り、あとは荷物整理に追わることになるのでした。
いつもの出勤時間に目覚ましで起きてチェックアウト。地下鉄で札幌駅に出ると予定より1本早い特急に間に合う時間。自由席はもう厳しいので指定席があるか聞いてみたら、通路側ならということなので指定券を購入。どうせ爆睡してるしね。ということで、噴火湾はちらっと見ただけでほとんど寝たまま函館に到着。
1時間弱余裕が出来たので荷物をコインロッカーに放り込み、市電乗り場へ…、あれ?大混雑で積み残し必至だな。そんな遠い場所でもないので歩いて向かったのは新川町の自由市場。ここも「おにぎりあたためますか」で登場したスポット。
函館と言えば駅近くの朝市が有名ですが、ちょっとひねってみました。中では道南産昆布が多数並んでいたので家に送っておきました。
で、市場内にはもちろん食堂も数軒入っています。函館の朝といえばイカ。地元では朝食べるのが当たり前だそうで、イカ刺定食にしてみました。うん、うまい!
ただし食堂の中の時計が進んでいてびっくり。ほどほどの時間になり歩いて駅へ戻ることにします。特急白鳥20号八戸行はさっき駅コンコースでみかけた修学旅行の高校生がいっぱいで心配になりましたが、自由席で進行方向左側の席を無事確保。津軽海峡を眺めて過ごすことにします。ところが、青森県側は明らかに雲が多い! 青森駅につくと案の定雨が落ちてきました。
普通電車に乗り換えて乙供で下車。東北温泉というたいそうな名前の温泉は日帰り入力Okの施設。お湯は真っ黒の特徴ある温泉ですが、道北のように石油まじりなのではなく、モール泉といって石炭の一種が原因なんだそうで、小さいながら露天風呂もあってなかなか気持ちがいい。ただ、男風呂はその気になれば外から見える構造…。さすがに女風呂はそんなことはないと思いますが。
特急列車の時間調整のため、一旦普通列車で野辺地に出る。大畑線が残っていたころ下北半島を南下したとき以来だからいつぶりだろうか。駅前でバスを撮影して、構内の売店でめかぶそば。三陸が近い証拠ですね。
新幹線の新青森延伸で今は見られなくなった789系函館行を見送り、こちらは八戸行485系特急に乗車。駅前に出てネット予約したホテルを探すが、すごくいやな予感。電話したらやっぱり本八戸駅前だった。こんなお約束にひっかかるなんて…。あわてて駅に戻ったのですがきっぷを買う時間もないので周遊券で入場して鮫行にぎりぎり乗車できました。2駅で本八戸に到着。住所から探すと駅北口からすこし歩いたところに新しいホテルが見つかりました。八食センターに行きたかったんですが、もう市場は閉まってしまい、アクセスバスも中心街からはもう終わってしまったので、近所のスーパーに寄ると面白い食材だらけでつい買いすぎました。
もちろんこれ全部一晩に食べたわけじゃないですけどね。
南部せんべい、さきいか(このへんのは持ち帰り)。ほっきとか入ったにぎり寿司、カキフライ
オーシャンサラダ、八戸ジャジャメン、サンマの寿司、
これがちょっと珍しいマツカワガレイ。すごい肉厚でした。
翌朝。八戸から東京までは特急料金節約のためにも一気に移動するのですが、狙っていた臨時「はやて」に乗ろうと思ったら、八戸線が…。バスだと時間がかかりすぎて1本前の八戸線に乗るのと変わらない。
と、調べていたら十和田市駅行バスが1時間に1本程度出ているのを発見。ここ、十和田湖方面のバスと電車の連絡が悪くてなかなか行けなかったんですよね。どういう訳か6時台に3本もあって7時台に1本もないのですが、8時台のバスには間に合いそう。本八戸駅を市バスで出発。六日町は通過してしまったので、1つ先のバス停から戻ります。南部バスの五戸行と続いてやってきた十和田鉄道バスに乗車しました。一旦八戸駅に寄って大量に乗車客があったのですが、どうやら海上自衛隊の航空部隊の人だったようす。運賃両替機の調子が悪いらしいので市街地の手前で運賃を先に払っておくことに。
十和田観光電鉄十和田市駅は少し街外れにあります。ショッピングセンター併設…と思ったら「元」ダイエーだったのが後継テナントが決まらず閉鎖状態で、電鉄の経営も圧迫しているとの運転士氏情報。
十和田市の市街は結構な広がりもあるので、なんとかならんもんでしょうかね。車のアクセスも悪くはないんだし。せっかくなので電鉄の旅行センターで三沢から八戸まで(昨日周遊券を使ったので別払いになる)の乗車券と東京までの新幹線特急券を購入。いくばくかの手数料が電鉄に入ることでしょう。
十和田市駅は道路に面して1線だけの簡易構造だが、奥にもう1編成留置できるようにしてある様子。どうやら線路が延びていた先に旧十和田市駅があったらしい。車両は東急のお下がりなのだが、21世紀になってからの移籍車ということでVVVF制御にワンハンドルでびっくり。鐘叩き踏切とのミスマッチが面白い。電車は土曜日なので通学の学生も少なく、淡々と川のそばを走る。その名も「大曲」駅手前で大きく曲がって渋沢公園の路地に線路を通したような場所をゆっくり通過すると三沢駅でした。
洗面台が残っていたり、ローカルムード満点です。
奥におそば屋さんがあるので、冷やしわかめそばとおにぎりで昼食に。
再び八戸駅に戻って、満員の「はやて」で東京へ向かいます。ちょうど八戸駅の上を、三沢基地に降りる飛行機が飛んで行きました。
【十和田観光電鉄は2012年3月末をもって鉄道事業を終了しました】