2000年4月 九州

(今回は写真が発見できていないため珍しく文章のみです)

1日目

残業の代休で3連休になったので時刻表を繰っていると、西米良村営バスの時刻が変わったようで、人吉からの乗り継ぎがずいぶんよくなっている。出発2日前に「なは」の個室寝台を申し込んだらあっけなく取れた。さすがGW前の平日である。

そういうわけで、13日は定時で仕事をおえ、いったん帰宅して荷物を持ち大阪駅へ。九州夜行の個室寝台は3度目で「なは」は2度目だが、今回初めて山側の個室になった。しかし今回の個室はファンの口が故障しており、たえず暖房の空気が入りこんで来る。これではまた喉を痛めてしまいそうだ。またドアの建付が悪くてガタガタいうので、着替えの衣類の裾を隙間につめこんでみた、しかし車内の乾燥はひどく、水飲み場のコップを拝借して室内に水を撒いたら多少マシになった。

2日目

目が覚めると久留米を発車するところだった。あと大牟田に止まって熊本到着のはずである。前回来たときよりは夜が明けているので熊本駅は明るかった。いったん改札を出たものの駅前は閑散としているので、豊肥線新水前寺まで行くことにして切符を買った。ちょうど直通宮地行が出るようだが、編成はキハ47+キハ31という変わった編成。キハ31の最後尾に乗車する。適当に散歩しているとちょうど交通センター止のバスがやって来た。交通センターで人吉方面の高速バスの時間を確認すると予約制とのことで、窓口で切符を買う。まだ時間があるのでバスの列を眺めていたが、屋外のバスターミナルにしては空気が悪い。待合室に戻ってパンとジュースで朝食代わりにする。

人吉まで乗る高速バスは宮崎交通の高速宮崎行。市内のいくつかの停留所に止まったあと、健軍の自衛隊駐屯地のそばを通り、益城熊本空港ICから九州道に上がった。高速に上がるととたんに眠くなってしまい、気付くと八代ICに停車していた。ふたたび高速に上がり、南九州道(八代・日奈久道路)を分けて球磨川をさかのぼり始めるのだが、坂本を過ぎると肥薩線とは分かれてトンネルで峠を越え、人吉ICで降りる。細い線路をまたいで駅前を過ぎたところが九州産交人吉営業所だった。

駅に戻る途中に本屋さんがあるのでひやかした後、人吉駅で用を足しくま川鉄道乗り場へ。ちょうどくま川鉄道のレールバスが入替作業を行っている。また駅の向かいの大きなよう璧は改修中らしく、クレーン車にぶら下げたケージから現場写真を撮影している。あんな揺れるケージの中では仕事はしたくないものだ。

4月とはいえ九州は暑いほどの陽気で、思わずホームにあるアイスクリームの自動販売機に手が出てしまうほどの陽気だ。列車は人吉盆地のおだやかな地形の中を進む。時刻表を見ていると、朝の上り1本は人吉からそのまま急行「くまがわ」になるようなので、1往復は直通列車があるようだ。

湯前に降りると、駅左手に国鉄バス塗色のいすゞマイクロが止まっているがエンジンはかかっていない。ホテルマンのような制服の若い運転手さんがエンジンをかけて駅前にバスを止めた。運賃をたずねるとなんとか1万円札を使わずにいけるようだ。地図を見ても分かるが、地形が穏やかなのは湯前までで、いきなりその先上りにかかる。国道219号線は横谷トンネルで県境を越えて宮崎県西米良村に入る。今度は板谷川に沿って一気に下り始めるが国道は各所で改修されており快適なドライブである。しかし峠をかなり下った鶴瀬からはひと昔前の山道に逆戻りである。しかし途中には大きなアーチ橋を建設している現場もある。まずは村所までの旅は終わった。ここからこれも数少ない宮崎交通西都行に乗り継ぐのだが、バス案内所があったのでここで1万円札をくずして切符を購入できた。

宮崎交通は日産ディーゼルの中型車。途中急俊な山腹でショベルカーが工事しているのを眺めたりしながらバスは進むが、実はここから西都までが遠かった。巨大な一ツ瀬ダムは座った席と逆サイドということもありぜんぜん眺められず。この区間も途中あちこち改修の跡が見える。やっと杉安に着いたと思うと、妻線跡がサイクリングロードになっていた。西都市街で左に折れて西都営業所終着。とりあえず昼の食事がまだなので、町をうろつくことにするが、営業所の裏手に「パオ」というショッピングセンターがあり、お約束通り1Fに軽食コーナーがあった。ひと息着いたところで営業所に戻ると、時刻表からは表記が消えていた高鍋行が発車するところだったが、当初の予定通り宮交シティ行に乗る。案内所にある地図で降りる停留所を確認してバスに乗り込む。というのは、このバスは宮崎駅前には入らないのだ。いつしか国道10号の旧道に入り、JR宮崎神宮駅の近くでバイパスに合流しいよいよ宮崎市街である。駅に一番近いバス停で降りると目の前に銀行があるので現金を補充し、駅方向に向かうとそこにもバス停がある。キョロキョロしているとうまい具合にバスがやってきたので楽に駅まで運ばれる。

宮崎駅は完全高架化されて、駅ビルの通路がそのまま改札(ホーム別。近鉄東大阪線吉田駅みたいなもの)になっている。のちに帯広駅もこういう構造になった。上りホームには折り返しの475系が止まっているがグリーン車改造クハ455がいてうらやましい。4番線には特急にちりんが入ってきたがこれでは延岡に早く着きすぎてしまうので、そのあとの普通延岡行を選ぶが通学生で大混雑している。

南延岡に着いて旅館に入る。電話したときから予想していたとおり前回と同じ部屋である。前回割に旨かった寿司屋へ行こうとしたらなんと店が閉まっている。定休日の札もないので廃業したのだろうか?

3日目

朝から雨が降っている。私はだいたい傘を持つのは嫌いだし、買ってもどこかに忘れてくるのがオチなのでできるだけ使わないようにしている。幸い近くのバス停までの道は途中までアーケードだ。アーケードの端でバスを待つ。延岡駅から「にちりん」へ。指定席はほとんどないという話だが、自由席はよく空いていた。雨のしのつく中を小倉まで。この特急は博多行なので座っていてもよいのだが、小倉で新幹線に乗り継ぐと博多には早く着く上に乗り継ぎ割引適用で運賃が安くなるのはちょっとしたポイント。小倉からはすぐにひかり号が連絡している。博多に到着し、電話で今日のホテルを予約しておいた。荷物をコインロッカーに入れて地下のラーメン屋で念願のラーメン定食…と思ったら、豚キムチラーメンというのがあるではないか。これとめんたいご飯をセットにし、さらに高菜をラーメンに載せる。口の中が唐辛子で弾けそうだがうまい。

福岡市内をバスでふらふらする。一旦電車で薬院で下車するが、この駅の出口の構造が意地悪で、私の乗りたいバス乗り場へは先に階段を降りてしまうと面倒な構造になっていた。駅前は地下鉄城南線の工事で落ち着かない様子。やっと来たバスは六本松手前で渋滞にひっかかり、別府橋から城南区役所へややこしい道をたどり、そうこうしているうちに「ももちパレス」藤崎終点に着いてしまった。西新商店街を通るんじゃなかったっけ? あきらめて地下鉄乗り場へ。前から気になっていた箱崎線直通電車に乗ることにする。電車は天神を出るとすぐに分岐して中洲川端は路線別ホームになっている。電車はそのまま貝塚へ着いたので西鉄で香椎まで進んでJRで引き返した。

4日目

普通電車で箱崎で下車。駅前がそのまま箱(本当は竹冠に呂)崎宮なのだが、実は裏口だったようだ。そのまま進むと西鉄バス専用道に出てバス停があるのだが、一般車も結構迷い込むようだ。バスは再び博多駅交通センターへ。新幹線窓口に行くと、すぐに発車のひかりが先発するのだが途中でのぞみに追い抜かれる模様。であればということでのぞみの指定券を取ったのだが、発車まで40分近くある。在来線の切符を南福岡あたりまで買って改札に入ったが驚いたことに20分近く電車がない。これはいかんと思い、上りを見るとすぐに快速が出るようだ。快速で1駅吉塚で下車。改札口を出て、改めて大阪までの切符で乗車。すぐに鹿児島本線の電車が出るようだが、その直後に篠栗線が発車するので、のんびりと篠栗線のある東口方面へ向かったのだが、工事中らしくホームへの上がり口がない。血相を変えて走るとなんとか間に合った。キハ67系のシートに収まるとほどなく博多に戻って来た。

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